家を建てるときに
間取り図を見ながら“家事動線”を考えます。
キッチンから洗面、洗濯、浴室、物干し、収納…
線をつなぎながら
生活がスムーズに流れるように想像します。
けれど実際に暮らしてみると、
家事動線は図面の通りには流れません。
動線は間取りではなく
生活習慣の中で決まるからです。
図面の動線は“理想”で、暮らしの動線は“現実”になる
図面上で描かれた動線は
最短距離の線で表現されます。
しかし暮らしの中の動線には
余白があり、途中があり、寄り道があります。
- 子ども
- ペット
- 収納
- 洗濯物
- 食器棚
- ゴミ箱
- 家電
- 買い物袋
動線はものと人でできているので、
思った通りには流れません。
家事動線は“手順”で決まる
動線は距離ではなく手順で決まります。
例えば洗濯なら👇
洗う
→ 干す
→ 取り込む
→ 畳む
→ しまう
この手順のどこに
時間と労力があるかで動線が変わります。
たとえば
“畳む場所”が洗面でもリビングでも寝室でも
動線は全く違うものになります。
家事動線は“時間”でも変わる
家事は時間帯によって
動きが変わります。
朝:最短
夜:余白
休日:滞在
雨の日:制限
夏:省エネ
冬:暖房中心
図面では一つの動線ですが
暮らしでは複数になります。
家事動線は“家電”にも左右される
ここ10年で特に大きい変化が
家電による動線の更新です。
- ドラム式洗濯乾燥機
- 食洗機
- ロボット掃除機
- 乾太くん
- コードレス掃除機
- 自動調理家電
- 電動自転車
- 大型冷凍庫
家電が動線を短縮したり
逆に拡張することもあります。
図面に家電が反映されることは
ほとんどありません。
家事動線は“買い物”で変わる
動線は生活習慣の影響を受けます。
買い物の頻度
ネット注文
宅配
冷凍食品
まとめ買い
生活が変わると
動線も静かに変わります。
家事動線は“老後”でまた変わる
家事は年齢との関係も深いです。
- しゃがむ
- 持つ
- 上げる
- 運ぶ
- 干す
- 畳む
身体の変化で
優先順位が置き換わります。
老後の家事動線は
“ラク”の定義が変わるのも特徴です。
家事動線は“生活動線に合流する”
実際の暮らしでは
家事動線と生活動線は
完全には分けられません。
- 食べる
- くつろぐ
- 寝る
- 支度
- 帰宅
家事は生活の中で行われるので
動線は重なり合って流れます。
図面で決められるのは“初期設定”だけ
家事動線は
図面では初期設定までしかつくれません。
暮らしが始まると
習慣と時間が
その家の動線を決めます。
家が暮らしを作るのではなく
暮らしが家を選んでいく。
まとめ
図面の動線は
“思考の動線”です。
暮らしの動線は
“生活の動線”です。
家事動線は
時間と習慣と家族と家電と未来で決まる
生きている流れのようなもの。
家は完成して終わりではなく、
暮らしの中で更新され続けるのだと思います。